BOOK(案)Ⅱ

プロフィール

かがみ じゅんこ (じゅんこたん)

Junko Kagami

食のセラピスト:食べる事は人生の一番の楽しみ。若い頃から「痩せているのによく食べるね」と言われる事が多かった半面、体力がなく、すぐにスタミナ切れを起こすのが悩みであった。40歳を過ぎた頃から体のしくみに興味を持ち多くのセミナーに参加。食事に対する学びも深めていく中で「健康食育」というストレスフリーな食事の在り方に出会い、実践したところ健康状態が劇的に改善。51歳になった現在では「年齢を重ねるごとに若返ってるんじゃない?」と言われるほどにまで元気になる。座右の銘は「こころの健康 からだの健康」。健康食育シニアマスターの知識と実体験をベースに、食べる事を楽しみながらココロとカラダが元気になる “じゅんこたんご飯講座” を定期的に開催している。

 

はじめに

慢性疲労、冷え性、便秘、肌トラブル、体型の悩み、PMS、低体温など誰にでも1つや2つは改善したい事があるのではないでしょうか。

その時にやりがちなのが『悩み毎に問題を解決しようとすること』。一見それぞれの問題に直接アプローチした方が良さそうに思いますが、1つを解決して次に移ったら解決したはずの問題がまた再発して振り出しに戻ってしまうという現象はよくあることです。それだと全ての悩みが解決するまでに相当の時間を要するのは容易に想像できると思います。

実は今抱えている悩みの発端を探っていくと、全てが「体の土台がグラグラしている」という所に辿り着きます。つまり “問題の原因はどれも同じ” ということです。だとすると、まずやるべき事はそれぞれの悩みに対処することではなく「体の土台をしっかりさせる」こと。ここで言う“土台”とは、食べた栄養を効率的に消化吸収でき、代謝や免疫力が高い健康状態であること。体調を崩しても回復力があり、慢性化しにくくエネルギッシュに活動できる体であることです。

体の土台は生活習慣によって作られますが、最も大きく影響するのが “食事” です。そこで大切なのは『無理なく簡単に実践できる事』と『我慢、制限のないストレスフリーな食事の考え方』です。食べる事とは一生のお付き合い。年齢、性別も関係なくずっと続けられるものである事がキーポイントになります。

本書では忙しい方や料理が苦手な方でもすぐに実践できる「健康度が上がる食事のコツ」を分かりやすくまとめましたので、ぜひみなさまの健康度の向上にお役立て下さい。

じゅんこたん

 

=食べる事を趣味にする=

一生ストレスのない食生活を送る

個人的な話しですが、私は物心がついた時から食べる事は単純に嬉しい、楽しいことでした。しかしそんな私でも、「こんなに食べたら太るか」とか「こんな食べ方をしたらカラダに良くないかも」とかネガティブな事が頭をよぎり、食べる事が楽しく感じられない時期がありました。

恐らくほとんどの方が同じ様な思いをした経験があるのではないでしょうか。あるいは、今まさにそういう状態の方もいるかもしれません。それを象徴するかの様に食に関する健康情報を目にしない日はありません。しかし、あまりの情報の多さに自分にピッタリの食べ方を見つけるのはなかなか至難の業です

痩せたい、健康を保ちたい、スタイルを維持したい、便秘を解消したい、お肌をきれいにしたい・・・。目的は人によって違いますが、私は冷え性を改善したくて食事の面においてもいろいろな事を試しました。しかし思うような改善は見られず全て一過性で終わってしまいました。そんな時に現在私が実践している“健康食育”という考え方に出会い、なぜ今までいろいろな事を実践しても効果を得ることが出来ずに終わってしまったのかが分かったのです。

理由は簡単でした。
やっている時は無意識でしたが「何か特定の物を積極的に食べたり逆に制限する食べ方だった」からです。

偏りが生じる食べ方は栄養のバランスも偏ります。若い時にはそれをカバーするだけの体力もあるので分かりにくいのですが、年齢を重ねると栄養の偏りが健康にも大きく影響してきます。また、食べたいのに食べられないなどのストレスも溜まりやすく、健康の為にやっていることが逆効果になってしまっている事も少なくありません。

大切なのは
“ストレスなく一生変える必要のない普遍的な食べ方を身に付けること”
ちょっとしたコツを知るだけで我慢も制限もする必要がなくなります。体の基本的な機能は誰でも一緒なので、年齢も性別も関係ありません。

 

意識のシフトチェンジがキーポイント

★頭であれこれ考えて食べる食事からシンプルに「美味しい!」「嬉しい!」「楽しい!」を感じる食事へ!
★何かを改善する為の食事から体そのものが元気になる食事へ!

食事の見直しを考えた時に、まずはこの意識のシフトチェンジが一番大切です。つまり食べることを趣味にするくらいの感覚で気楽に楽しめる状態になることがお勧め!ある程度の知識は必要ですが、心が楽しめないまま知識だけで続けていると食事そのものが辛くなり食べることが嫌になってしまいます。「あれが食べたい!」「美味しい!」「幸せ!」を感じられるのは人間の特権。楽しみながら食べて健康で元気になりましょう!

 

=代謝欲求と快楽欲求=

代謝欲求を大切にした食べ方をする

以前観た番組の中で「人間の食欲には“代謝的欲求”と“快楽的欲求”がある」と聞いてなるほど!と思いました。代謝的欲求は「生きるためのエネルギー下さい!」のサイン。快楽的欲求は・・・あえて言わなくても想像がつきますね。

私達はこの二つの欲求をごちゃ混ぜにしてるので、本来は制限や我慢をする必要がないもの(制限しちゃダメなもの)まで減らしてしまうのです。逆に言えば、生きるために必要な物が分かればそれをしっかり食べればいいだけです。そうすれば快楽的欲求は自然に抑制されます。すると我慢の必要がなくなり、ストレスもかからなくなるので食べる事を楽しめるようになります。では生きるための代謝的欲求に必要な物は何かというといわゆる五大栄養素です。

最近は糖質制限や炭水化物ダイエットなどお米を敬遠する風潮がありますが、日本人の体質に合った主食は今も変わらず「お米」です。それにはきちんとした理由がありますので後項で解説します。

 

=まずは元気である事=

「健康」と「元気」は似て非なるもの

日常で「健康」と「元気」という言葉を意識的に区別して使っている人は少ないのではないでしょうか。しかし正確には「健康」と「元気」は意味合いが違います。
★健康・・・健康診断などで医師による数値での診断。主に病気であるかないかを基準にしている
★元気・・・数値ではなく「今日は体が軽い」「肌のツヤがいい」など感覚的なもの
数値は専門機関で検査をしてもらわないと分かりませんが、感覚的なものは日々の生活ですぐに感じる事ができます。つまり、健康かどうかは自分では分かりませんが元気は自分しか分からないのです。
そこで起こる「健康≠元気」という矛盾。具体的にいうと健康診断では特に異常はなく病気ではないけれども「疲れが取れない」「やる気が沸かない」「だるい」などいわゆる不定愁訴を抱えている状態のこと。現代はこの様に健康上の問題はないのに元気がない人が非常に増えています。そしてそれは大人だけでなく子どもにまで広がっています。

健康より元気であること

健康管理というと響きはいいですが健康に意識が向くほど結果に繋がらず、逆に健康度を下げてしまうということはよくある話しです。健康を示す数値の改善の有無は日常生活の中で実感することが難しいですが、「前より疲れにくくなった」「スッキリ目覚めて気分がいい」などの感覚的な改善の変化は、日常生活ですぐに実感することができます。ですので『健康よりも元気』に意識を向けることがお勧めです。
調子の良さを実感できると心と体が元気になり気持ちが前向きになります。気持ちが前向きになるといろいろな事に挑戦できたり、行きたい所へ積極的に行かれたり楽しい事が増えます。すると自然と生活に充足感が生まれ日常の生活の質が向上します。表情もイキイキとしてきて周の人からも「元気」「健康的」という印象を持たれるでしょう。この“印象を持たれる”というのが大事なポイント!
目の前の人が肌ツヤや姿勢がよくエネルギッシュに見えたらどう感じますか?この人は健康的な数値なんだろうか・・・と考える人はおそらくいないと思います。きっと元気で素敵だなと思うはずです。
イメージとして健康の先に元気があるように感じますが、実は元気の先に健康があるのです。全ては元気であることからスタート!元気は「元」の「気」と書きます。東洋医学の考えでは「気」が大きな意味を持ち、滞ることなく全身を巡っていると健康であるという考え方があります。ということは「元気」はあなたの本来持っている気が活性化している状態と捉える事ができるのではないでしょうか。

元気と食のかかわり

病気ではないけど元気でない大人やこどもが多い現代。全てではないですが「食事」に起因している部分が非常に大きいのです。それは年齢関係なく言えること。年齢を重ねると「もうこの歳だから」と言ってしまいがちですが、普段の食事を少し見直す事で元気になることは可能なのです。実際に食生活を見直して劇的に元気になった60代以上の方もいらっしゃいます。もちろん自然の摂理として年齢と共にさまざまな機能が低下してくるのは当然ですが、だからといってちょっとした不調の原因が全て年齢とは限りません。
人のカラダは60兆個の細胞からできていると言われています(数には諸説あり)。細胞の材料は食べ物。つまりカラダはあなたが食べた物で出来ているのです。英語でも「You are what you eat」ということわざがあるほど。まさに『健康は食にあり!』。という事は今抱えている不定愁訴はあなたの食生活が元かもしれません。

人は見えないものや分からないものに対して不安を持ちやすい傾向があります。数値での改善は生活の中で実感する事は難しいので、日常では「元気であること」に意識を向けつつ食事を見直してみましょう。あなたの持っている「気」が活性化する食べ方を身に付ければ細胞が新しくなっていくごとに体が少しずつ元気になっていき、あなたの魅力も自然と増していくことでしょう。

 

=カロリーとの賢い付き合い方=

カロリーは怖い?

私達は食事で得た栄養を燃やし、代謝をして動くエネルギーに変えたり体の材料にしています。そして最終的に要らなくなったものを体外に排出しています。

この「燃やす→使う→出す」は生命活動の一連のサイクルです。サイクルが活発であればあるほど、体は元気な状態になります。その最初のステップは “燃料を燃やしてエネルギーを生み出す” こと。では生命維持活動のエネルギーに必要な燃料とはなんでしょうか。

それは・・・

 

『カロリー』です!

 

カロリーは「太る」とか「健康に良くない」というイメージがありませんか?でも果たして本当にそうなのでしょうか。そもそもカロリーとは何なのでしょう。

シンプルに『単位の名前』です。

具体的にいうと “体の中でどれだけ熱に変えられるかを示すエネルギーの単位” です。

高カロリーと低カロリーの違いは「たくさん熱を作り出すかあまり熱を作り出さないか」というだけのこと。そこに “体に良い悪い” という違いはありません。しかし世の中全体の傾向としては「ローカロリーがヘルシー」というイメージが強く、「カロリーを抑えよう!」という方が多い様に感じますが、健康面からみるとその視点はとても勿体ないのです。

 

カロリーを味方につける

生命活動の一連のサイクルの第一歩は “カロリーを燃焼させてエネルギーを生み出すこと” 。だとするとローカロリーな食事はヘルシーなのでしょうか・・・?

<カロリーが低い食事をした時に体の中で起きていること>

・摂取したカロリーが少ないので熱を生み出せない

・カラダが生命の危機を感じて省エネモードになる

・体の機能が落ちる
(体温が上がらない、免疫力が落ちて風邪等にかかりやすなどのリスクがある)

残念ながらこれを見る限りヘルシーとはかけ離れています。健康を維持したいのならばカロリーは控えずしっかり摂ることが大切です。カロリーの力を味方につけて元気に活動できるエネルギーを沢山作れる状態にすることが健康維持のカギなのです。

~ PONT!~
・カロリーは単なるエネルギーの単位である
・活動のエネルギーを活発に生み出すにはカロリーをしっかり摂ることが大切
・低カロリー、高カロリーは生み出す熱量の違いであり体に良い悪いの違いではない

今まで「健康や美容のためにカロリーを控えよう!」と思っていた方は、今この瞬間からイメージチェンジしましょう!!

活発にエネルギーを作り出せているかどうかの目安は “疲れやすかどうか” 。しっかりカロリーを燃やせている人は疲れる前に新鮮なエネルギーをどんどん作り出せるので疲れにくいのですが、燃やす力が落ちている人はエネルギー不足になりやすく、すぐに疲れてしまう傾向にあります。もう一つの目安は体温。理想は36.5~37度。36度前半は黄色信号、36度未満は赤信号です。体温が低い方はカロリーをしっかり摂って活発にエネルギーを作り出せる体作りをしていきましょう!

 

=一汁一菜一膳ごはんのすすめ=

基本の献立は「主食・主菜・副菜」の組み合わせ

世の中の多くは年齢(年代)ごとに合った食事を提案しているものが多いですが、じゅんこたんご飯でお伝えしているのは “一生変える必要のない普遍的な食べ方” です。なぜなら年齢を重ねるにつれ機能的な低下はあっても基本的な体の働きは一生変わらないからです。 なので、普通食を食べられるようになった子どもから高齢者まで基本的な食べ方は同じです。もちろん性別も関係ありません。大切なのは日本人の体質に合っていることです。
日本人の体質に合っていると言えば「和食」の定食スタイル。和食の基本は「主食・主菜・副菜」の組み合わせ。これをベースに食事の献立を決めると栄養のバランスが良くなります。

【主 食】
「ごはん・パン・麺類」などのいわゆる炭水化物。活動のエネルギー源や体温のもとになります。

【主 菜】
肉、魚、大豆製品、卵などのたんぱく質を使った一品。細胞、筋肉、骨、血液など体を作る材料になります。

【副 菜】
野菜・海藻・きのこ類など、ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれる食品を使った一品。体の調子を整えてくれます。

これを献立を当てはめると
・主 食・・・ごはん(お米)
・主 菜・・・肉や魚を使ったメインディッシュ
・副 菜・・・野菜を使ったおかず
こんなイメージです。

私たちはエネルギーがないと生きていられません。“活動”というと実際に体を動かす事をイメージしますが、実は臓器を動かしたり呼吸をしたりなど生命を維持するための活動に一番エネルギーが使われています。そのエネルギーの元になるのが主食である炭水化物に含まれている糖質です。昨今では炭水化物や糖質を制限する風潮が強いですが、糖質を制限するという事は活動のエネルギーを作る量が減ってしまうということ。つまり生命を維持するためのエネルギーの量も少なくなり、その状態が長いほど元気な体を維持することが難しく体調を崩しやすくなりがちです。

 

「一汁一菜一膳ごはん」でバランスの良い食事を

炭水化物は制限ではなくしっかり摂ってどんどん使うが基本です。
ただしここでいう炭水化物とは「ごはん(お米)」の事でパンや麺類は含みません。

そしてごはん(お米)をエネルギーに変換する時に強力なサポーターになってくれるのが副菜で使う食材(ビタミン・ミネラル)です。そこに体を作る材料になるたんぱく質を摂ると生命を維持するための基礎代謝が上がり、それに伴って体力や免疫力も上がってきます。

これを一番簡単に組み立てられる献立が『一汁一菜一膳ごはん』です。一汁を具沢山のお味噌汁にすれば副菜を何品も作る必要なくボリュームのある一品になりビタミン、ミネラルもしっかり摂れます。

現代は健康志向が強く、食に対する意識が高い方が増えていますが食スタイルや生活スタイルが多様化したことにより、本来の日本人の体質に合った食事が分かりにくくなっています。
ぜひ和食の基本スタイルである「主食・主菜・副菜」の組み合わせを思い出し『一汁一菜一膳ごはん』の定食スタイルで食べてみて下さい。

 

=主食は断然ごはん=

炭水化物は悪者?

最近「炭水化物を控えた方がいい」という情報が多い一方で「炭水化物は控える必要はない」という真逆の情報もあり、一体どちらが正しいのか分からなくなっている方が多いのではないでしょうか。結論をいうとどちらも間違えではありません。例えば糖尿病など何かしらの病態がある場合などは医師の指示により糖質のコントロールをする必要がある場合があります。しかしそのような制限が必要でないならば糖質を控える必要はありません。

さて、控える必要がある時と控える必要がない時の違いが何か分かりますか?控えるのは何かしらの病態を持っていてコントロールが必要な時。特に病態がない人は控える必要はありません。理由は生きるためのエネルギーを生み出す為には炭水化物に含まれる糖質が必要不可欠だからです。

炭水化物には「ごはん(お米)」「パン」「麺類」と主食になる物が多くありますが、日常的な主食としてお勧めなのは断然ごはん(お米)です。

 

ごはん(お米)を味方にする

 ~ごはん(お米)がおススメのワケ~
■ 加工の過程が少ない・・・水のみの調理で炊飯すれば食べられるシンプルさ!!
■ 粒々の食感でしっかり咀嚼できる・・・自然と噛む回数が増える
■ 日本人の代謝メカニズムに合っている・・・血糖値が急激に上がりにくく体の中で効率よく燃えやすい(エネルギーを生み出す)
■ 脂質の比率が非常に低い・・・おかずの調理に油を使っても脂質の割合を抑える事ができる
■ 実は優秀なたんぱく源・・・アミノ酸スコアが高い
■健胃整腸作用がある・・・胃腸の働きを活発にする
■レジスタントスターチが豊富・・・難消化性なので血糖値の上昇を抑える働きがある

一方パンや麺類はさまざまな原材料を混ぜ合わせて加工した物。油が含まれる事も多いので、おかずと組み合わせると脂質過多になりやすくなります。以上の事を総合的に考えると日常の食事で食べる主食は「ごはん」がお勧め、パンや麺類は嗜好品という位置付けで頻度を加減して楽しむのがお勧めです。

昨今の不定愁訴などのちょっとした体の不調は、お米を控えることによるエネルギー不足が要因であるケースが少なくありません。深刻なお米離れが進んでいますが日本人の体質にあっている主食は今も変わらずお米です。活動のエネルギー不足を防ぐ為にもしっかり食べてエネルギーをどんどん生み出せる状態を作る事が大切です。

 

=忙しい現代だからこそ具だくさんお味噌汁を飲む習慣を!=

「食事」の優先順位をちょい上げする

忙しい現代人。時間に追われて食事を摂るのもままならない!そんな毎日を送っていませんか?その様な日常でつい削られるのが食事の時間。でも、そもそも忙しく活動できるのは何故なのでしょうか。それは体が入ってきた栄養を何とか駆使して常に生きる為、そして活動する為のエネルギーを作り出してくれているからです。しかし栄養に偏りがあったり栄養そのものが足りない状態が続くと“やる気がでない” ”集中力がない” “だるい” “すぐに疲れる”など『不定愁訴』という形で表れます。それは「今の食事見直して~!」という体からのサインです。しかしほとんどの人はそのサインを無視して薬を飲んで一時的にしのいだり、場合によっては倒れるまで頑張ってしまいます。
「食べることは生きること」とよく言われますが、私達は日々の命をどう繋いで毎日を生きているのかを誰からも教わったことがありません。それは学ぶものではなく、お腹の中で生命として誕生した時から体がオートメーションで命を繋ぐための営みを絶えずしてくれているからです。このオートメーションの機能は自分の意志でコントロールすることは出来ません。しかし機能効率を上げて活性化することなら出来ます。その為に大切なのが「食事」です。なのに、忙しいという事を理由にそこにかける時間を削る今の生活の在り方はとても勿体ない気がします。ただ、それはあなただけの責任ではなく世の中全体の風潮として食事に時間を割けない現状を抱えているという事も事実です。じゃあどうするればよいのか?まずは意識だけでもいいので自分の中で「食事」の優先順位をちょい上げすることから始めてみましょう。

野菜不足はだくさんお味噌汁で解決

「食事に十分な時間を割けない」「でも健康は気になる」「野菜もきちんと摂りたい」そんな時の強い味方が具だくさんのお味噌汁です。一品の中に数種類の具材をギュッと入れる事により栄養価が格段にあがり、おかずを何品も作る必要がなくなります。また調理の手間も省けます。
<何種類入れたら具沢山なの?>
じゅんこたんの定番具沢山お味噌汁の中身を公開!
 ・玉ねぎ・大根・にんじん・ごぼう
 ・じゃがいも等の芋類・えのき ・豆腐
プラスアルファーで旬の物や海藻類などその日の気分で

玉ねぎを入れると甘味が出て味がまろやかになり、根菜類を入れると味に深みが出ます。いろんな具材から出る天然の出汁とお味噌が融合した時、とても深みのある贅沢な味わいになります。ボリュームもあるのでおかずとしての満足感も充分あり、男性でも物足りないという事はありません。これから始める方は、まずは4種類ぐらいからスタートしてみると日常的に取り入れ易いと思います。具材の選び方のコツとして「根菜類と緑黄色野菜の中から3種類と・お好みのキノコ類から1種類」の合計4種類で考えると栄養的なバランスもよくなるのでお勧めです。野菜は火を通した方が一度にたくさんの量を食べられます。その様な観点からみても根菜や緑黄色野菜は火を通して食べる性質の物が多いので最適
みそ汁の具材として使う事で効率よく野菜不足を補う事ができます。

 

忙しいからこそお味噌汁を習慣にする

みなさんはどれ位の頻度でお味噌汁を飲んでますか?近年日本人の食スタイルが変わり食卓にお味噌汁が登場する頻度が減りましたが、一度にたくさんの野菜を摂ることが出来るという利点がある他にもお味噌汁にはさまざまな嬉しい効果があります。

温かいお味噌汁を一口飲んだ時「はぁ~」とリラックスして体の力がフッと緩んだ経験はありませんか?お味噌には癒し効果や神経鎮静、興奮抑制、血圧降下、リラックス作用など精神的な部分に効果的な栄養素が豊富に含まれています。私たちの体には交感神経と副交感神経という2つの自律神経があります。通常は夕方を境に活動モードの交感神経から休息モードの副交感神経に切り換わるのですが、忙しい現代人は交感神経がずっと働きっぱなしになりがちです。そうすると体が休まる時がないので寝ても疲れが取れないという状態になってしまい、翌日の日中の活動効率が下がってしまいます。
そこでお味噌の力を借りて心も体もリラックス!副交感神経のスイッチが入りやすくなることで疲れもリセットしやすくなります。また味噌は発酵食品なので通常の大豆の状態にはない酵母や乳酸菌などの栄養素を含んでおり、体内へも吸収しやすいと言われています。まさに具だくさんお味噌汁は忙しい現代人の強い味方!日々の食事に上手に取り入れて健康維持していきたいものです。
=野菜を効率よく摂るコツ=

現代の食生活は野菜不足

“一人暮らしや生活リズムが不規則でコンスタントに食事を摂れない” または “料理が苦手で買ってきたものやインスタント食品で済ませることが多い” この様な食生活が続くと気になって来るのが「野菜不足」。
毎年厚生労働省が行っている『国民健康・栄養調査』の結果でも現代は野菜不足という結果が出ています。野菜が足りている、足りてないとの基準は厚生労働省が推奨している一日に摂取する野菜の量です。それによると一日に必要な野菜の量は350gとなっています。平成30年の国民健康・栄養調査では成人男女の野菜摂取量の平均値は1日281.4g。男女別にみると男性が290.9g 女性が273.3gという結果で、この10年間有意な増減は見られないという調査結果でした。いずれも極端に少ない訳ではないですが足りていません。また、男女ともに20~40代で摂取量が少なく60歳以上は多い傾向と年齢層によっても違いがあることが分かっています。

その一方で、野菜に対するある意識調査では「野菜の量は足りていると思っている方が多い」という結果も出ています。実情は足りていないのに、意識では足りているという真逆の状態が起きているのです。それはなぜでしょう。

 

野菜は生で食べますか? 加熱して食べますか?

カゴメが2015年に行った「野菜の摂取方法に関する調査」によると、普段の野菜の摂取方法で最も高かったのは「サラダ等の生野菜として」で、実に89.5%に昇っていました。また最も栄養が摂れる野菜の摂取法でも約半数の46.6%が「サラダ等の生野菜」と回答しました。でも本当にそうでしょうか?

ここでもう一度厚生労働省の『国民健康・栄養調査』の結果を思い出してみましょう。“20代~40代が野菜の摂取量が少なく、60代以上は多い” これが意味する事は何か。20代~40代は野菜を効率よく摂る方法として主に「サラダ」などの生野菜を選ぶ傾向が多く、60歳以上はサラダだけでなく「お浸し」「煮物」などの加熱調理したものからも摂る傾向にある。つまり年齢による摂取量の違いは調理法の違いである事が想像できます。そして60歳以上の野菜の摂取量が多いという事は生よりも加熱調理をした方が野菜を効率よく摂取できると言えます。 “実情は足りていないのに、意識では足りている” という真逆の状態が起きてしまうキーポイントは、『生で摂る頻度が高いか加熱して摂る頻度が高いか』の違いによる可能性を示しています。

 

なんで野菜を摂る必要があるの?

食生活が不規則になったり栄養が偏りがちになると健康の事が気になり漠然と「野菜を摂ろう」という意識が高まります。では「健康=野菜」のイメージはどこから来ているのでしょうか。おそらく食に関する情報で「カロリーの摂り過ぎは健康によくない」「野菜に含まれるビタミンやミネラルを積極的に食べる事が健康に繋がる」という内容を見聞きする機会が多いことが理由として考えられます。実際に野菜の栄養成分を見てみると一部を除き主な栄養素は「ビタミンとミネラル」で、カロリーは高くありません。しかしビタミンとミネラルだけを積極的に摂れば健康になれるかというと残念ながらそうではなく、三大栄養素との相互作用によって初めて体にとって有用なものになります。

【三大栄養素】生きる為のエネルギーや体の材料となるもの
★炭水化物・・・主にエネルギー源(実際に体を動かすだけでなく生命維持すべてのエネルギー源)
★脂質・・・エネルギー源・ホルモンや細胞膜、核膜を構成する材料
たんぱく質・・・からだの材料(細胞・筋肉・骨など)

【ビタミン・ミネラル】
からだの調子を整える働きがあり、三大栄養素の分解や合成を助ける働きを持ち栄養を代謝するのに欠かせないもの。三大栄養素の心強いサポート役!

★ビタミン・・・様々な生理機能を維持する為に働いたり、新陳代謝をサポートする。
★ミネラル・・・骨や歯など身体の構成成分になったり、筋肉の収縮や神経伝達や代謝の調節などの生理作用の調節に関わっている。

それぞれの働きが分かると、どの栄養素も欠かす事のできないものだという事が分かります。野菜を積極的に摂ったとしても、大前提としてカロリーを持つ三大栄養素がバランスよくきちんと摂れていなければビタミンやミネラルの働きは発揮されにくい状態になります。野菜を摂る目的は「三大栄養素を効率よく代謝する」「生理作用などを調節して体の調子を整える」ため。それが結果的にヘルシーに繋がり健康維持できるのです。

 

効率のよい摂り方

野菜を摂る時 “生” “加熱” どちらのが多いですか?お勧めなのは『加熱』です。

~ 加 熱 を 勧 め る ワ ケ ~

★緑黄色野菜や根菜類は加熱しないと食べられない物が多い
★かさが減るので一度にたくさんの量が摂れる
★熱を加えることで栄養吸収率がUPするものがある
★消化しやすい
★体を温める

茹でると流れ出てしまう水溶性のビタミンは汁物にする事で逃さず食べられますし、火に弱い栄養素も多少は減っても健康に大きく影響するものではありません。

パックサラダ80g

器に移すとこんな感じ
けっこうボリュームがあるように見えますがこれを茹でると

カサがだいぶ減りました。

材料に使われている野菜の量の目安はこれくらい

かなり少ないですね・・・。加熱調理ならばこの数倍の量を一度に摂れます。

またサラダで食べる時に意外と見落としがちな事があります。それがドレッシングです。ほとんどの場合ドレッシングの主成分は油です。三大栄養素には理想の内訳バランスがあり、脂質は総カロリーの1/4の割合には抑えるのがポイントと言われています。魚や肉など食材そのものが持っている脂や調理に油を使っている場合はそれだけですでに1/4に達しているかもしれません。そこに更にドレッシングの油が加わると脂質過多になる可能性が非常に高くなります。せっかくビタミンとミネラルを摂っても脂質過多になっては勿体ない。その点、加熱して作る汁物、煮物、お浸しなどは油を使わず一度にたくさんの野菜を摂ることができるのでとても効率的です。また、生で食べられる野菜の種類は限られますが、加熱できない野菜はほとんどないので選択肢が断然広がるという点もお勧めの大きなポイントです。

   

 

とは言え、サラダが良くないわけではありません。鮮度のいい旬の生野菜のシャキシャキした食感は美味しいですし、調理の手間がかからず手軽に食べらるなどのメリットがあります。どんな物にも必ずメリットとデメリットの両面があり、基本的に食べてはいけない物はありません。もしメリットよりもデメリットの方が大きい時は嗜好品として楽しめばいいだけのことです。日々の野菜の摂り方は加熱したものを主とし、生野菜での摂取の頻度を控えめにすれば問題ありません。

 

=超簡単!ごはんのお供『塩ヨーグルト』=

超簡単!塩ヨーグルトの作り方

朝食のごはんのお供によく作っている塩ヨーグルト!
レシピとは言えないぐらいとても簡単に作れます!

<材 料>
・無糖のプレーンヨーグルト(低脂肪、脂肪ゼロ じゃない物)
・塩

<作り方>
プレーンヨーグルトに塩を適量入れてまぜまぜ・・・はいっ!できあがり♪

 

いろいろ使えるアレンジ法

★塩ヨーグルトde漬物★
塩ヨーグルトに大根やキュウリなどお好みの野菜を漬けて一日おくとお漬物になります♪ ぬか漬けを自分で作るのは難しい~!!という人はこれで代用!食べる時はヨーグルトも一緒にすくって食べて下さいね。

★塩ヨーグルトdeドレッシング★
サラダにかけるとドレッシングにも大変身!オイルを使わないのでヘルシーです。さらにアレンジでカレー粉を入れるとスパイシーになってお勧め♪お酢を少し入れるとサラサラになってかけやすくなります。酸味が苦手な方は少し甘味を加えると味がまろやかに。

★塩ヨーグルトdeソース★
焼いた肉や魚にかけるとちょっとオシャレなソースに早変わり。上にフレッシュバジルやローズマリーなどのハーブを散らせば見た目や香りも楽しめるメインディッシュになります。

 

=知らないと損をする噛むことのメリット=

食事の内容の前に大切なこと

じゅんこたんご飯でお勧めしているのは年齢も性別も関係なく一生変わらない食べ方。さらに体の機能を根本から活性化するものです。ただ、消化や代謝には個性があるので同じものを同じに食べても体への作用は千差万別です。

「食事を見直してみたけどなかなか良い変化が感じられない」という方は、何を食べるかよりも振り返って欲しい事があります。それはよく噛んで食べてるかどうかです。

最近の傾向として「朝は食べない」「お昼は仕事の合間に時間に追われてかきこむように」「夜も帰宅後バタバタの中で食事はササッと終わらせる」こんな毎日を送っている方が少なくないと思います。

例えば “健康診断の数値で引っかかった項目がある” とか “最近太ったかも” など、気になる事があると体に良さそうな物を選んで食べる事はあっても、食べる時は「ただ食べているだけ」になっていませんか?

咀嚼回数の歴史をみると「弥生時代 約4000回」「江戸時代 約1600回」「現代 約600回」と言われています。なんと現代人の咀嚼回数は弥生時代の約6分の1。近年噛まないことによって起こる健康問題が懸念視されています。そこで咀嚼回数の多かった弥生時代の歴史上の人物 “卑弥呼” にかけた標語が生まれました。

 

噛まなきゃもったいない!

噛むことには消化の負担を軽くするだけじゃなく沢山の効用があります。

『卑弥呼の歯がいーぜ』

☆「ひ」:肥満防止
よく噛むと満腹中枢が働き満腹を感じる。結果食べ過ぎる事がなくなり肥満予防にもなる。☆「み」:味覚の発達
よく噛むことで食べ物本来の美味しさを感じ味覚が発達する。☆「こ」:言葉の発達
噛むことにより顔の筋肉が刺激され言葉を正しく発音できるようになる。。また表情も豊かになり、リフトアップ効果も期待できる。☆「の」:脳の発達
脳に酸素と栄養がしっかり送られ血流が良くなって脳が活性化。認知症予防の効果も大!☆「は」:歯の病気予防
唾液がしっかり出るようになり虫歯や歯周病の予防につながる。☆「が」:ガンの予防
唾液に含まれる酵素に発がん物質の作用を消す働きがあるといわれている。☆「いー」:胃腸快調
消化酵素がたくさん出て消化を助けることで胃腸への負担が軽くなる。☆「ぜ」:全力投球
しっかり噛むことで歯やあごが鍛えられ、食いしばったり、ここ一番での力が入る。結果として生活の質の向上にもつながる。

 

♪じゅんこたん的 噛む効用の考察♪

「噛む」とは「咀嚼する」こと。食べている物がどんな物でどの様に消化吸収すればいいのかを噛むことによって読み取り、体はそれに合わせた働き方をしているのです。つまり「噛む」=「情報収集」。なので、噛まずに早食いをするということは食べている物の情報収集ができないという事。体は食べたものをどう消化吸収すれば良いのか分からないので、理解するのに必要以上の時間とエネルギーがかかってしまいます。そうすると本来の力が発揮できず消化吸収や代謝の働きも鈍くなります。

じゅんこたんが考える 噛むことの効用:『噛むこと=食べ物を理解すること』

何を食べるかを意識するのも大切ですがそれ以上に大切なのはよく噛んで食べることです。血肉となってもらうには食べた物を理解し仲良くなるのが一番!人間関係と同じですね。

よく「何回噛めばいいですか?」とご質問をいただきますが、回数ではなく唾液がしっかり出てるかを意識しましょう。唾液と食べ物が口の中でしっかり混ざったのを感じたら飲み込んでOK!のサインです♪

以上の事をみても、噛むことにはかなりのメリットがあります。しかも無料です。となればやらない理由はありません。いつも何かしながら何となく食べ物を口に運んでいる方や10分以内で食べ終わる方は、ぜひよく噛んで食べる習慣を付けて欲しいと思います。まずは最初の一口を意識して食べるだけでも体の反応は違ってきます。

 

=食べ過ぎ&ごちそうを楽しんだ後の食べ方のコツ=

減らし方にはコツがある

「お昼食べ過ぎたな」「最近ごちそうが続いてるな」など食生活でのバランスが気になり、何とかしなければと思った時にやりがちなのが “食べ控え” ですが、逆効果になっている可能性が高いかもしれません!

食べ過ぎた分、量を控えれば相殺されてバランスが取れそうな気がしますが、残念ながら単に食べる量を減らしてもうまくいきません。減らすにしても減らし方のコツがあるのです。

バランスが崩れてるなと思った時、食べた物を思い返すと「おかず」の割合が圧倒的に多く「主食」の割合が極端に少なくありませんか? この「おかずの割合が圧倒的に多い」というのがポイント。

ここでもう一度「主食」「主菜」「副菜」のそれぞれの栄養の役割を思い出してみましょう。

【主 食】「ごはん・パン・麺類」などのいわゆる炭水化物。活動のエネルギー源や体温のもとになります。
【主菜】肉、魚、大豆製品、卵などのたんぱく質を使った一品。細胞、筋肉、骨、血液など体を作る材料になります。
【副 菜】野菜・海藻・きのこ類など、ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれる食品を使った一品。体の調子を整えてくれます。

バランスが崩れている時は、おかずに当たる「主菜」「副菜」を沢山食べ「主食」が極端に少ないという状態になっています。これを栄養的に見てみると、体を作る材料や体の調子を整える物は沢山食べたが、活動のエネルギー源が極端に少ないというバランスです。更におかずの割合が多いことで無意識に脂質の割合が過多になっています。

つまり食べ過ぎとは全体量の事ではなく「おかず過多」の状態のこと。おかずの割合が多いと「主食」の割合は必然的に少なくなります。「主食」は活動のエネルギー源。その割合が少ないという事はエネルギーを生み出しにくくなり代謝の低下にも繋がるということになります。そして代謝の低下により、太りやすい体内環境になったり胃腸の働きが鈍くなり、いわゆる私達が食べ過ぎたと思った時に感じる体調の変化が出てくるのです。その状態で食べ控えをするという事はますます代謝を低下させてしまう事になり改善どころかかえって逆効果です!

ごちそうの食べ過ぎで太ったから痩せたい!体の調子を整えたい!ならばポイントは2つ!
1.「主食(お米)」の量を減らさずしっかり食べる。
2.脂質の割合を減らす。

全体量を控えるやり方では効果はありません。

簡単リカバリー術

リカバリーするならばやるべきことは至ってシンプルです。

・「ごはん」を1食につき最低お茶碗1膳分しっかり食べる
(女性:目安150g~200g程度 男性:250g~300g程度)
・みそ汁を具沢山にする(根菜・緑黄色野菜・きのこ類・海藻類などを4、5種類入れる)

このたった2つだけです。

ごはんをしっかり食べる理由は活動のエネルギーを沢山生み出し、代謝を上げたいから。そのためにはビタミンやミネラルのサポートが必要なので、みそ汁に数種類の具を入れます。この『しっかり一膳ごはん&具だくさんお味噌汁』の組み合わせで、代謝を上げるためのエネルギーとそれをサポートする栄養の補給ができます。さらに油を使わずに調理できるので意識しなくても自然と脂質の割合も抑えられます。まさに一石二鳥ならぬ一石三鳥。

それに加えて肉か魚でたんぱく質を摂ればバランスの良いリカバリー食になります。出来るだけ油を使わず調理をして脂質の割合を抑えるとリカバリー度が更に上がります。

食べ過ぎた事を後悔するのではなく、我慢や制限なしのストレスフリーなやり方でリカバリーしましょう。

 

=食事の質を上げて免疫力UP=

我慢・制限は逆効果

「太るのが嫌だから」あるいは「健康のため」に食べる量や回数を控えていませんか?生命を維持する為に必要不可欠なのはエネルギー。そしてそのエネルギーの素になるのが食べ物から得る栄養です。なのに、エネルギーになる素の食べ物が充分に入ってこないとしたら、それは体にとってとても辛いことかもしれません。

☆量やカロリーを控える・・・えっ!こんなちょっとしか入ってこないの?エネルギーいっぱい作りたいのに足りない!困ったなぁ。

☆回数を控える(ムラ食い)・・・おお!やっと入ってきたぞ!でも今度いつ入ってくるんだろ・・・心配だからよく考えて大切にちょっとずつ使わないと。

そんな体の声が聞こえてきます。安心して使う事ができないので極力エネルギーを消耗しないように機能は省エネモードになり、基礎代謝や免疫機能が低下します。それと連動して「疲れた」「やる気が出ない!」となってしまったら、仕事や日常生活の質そのものも低下します。健康やカラダの事を考えて我慢や制限をしていても、結果としてそれが逆効果になってしまうのはとても勿体ないことです。

 

現代人は栄養失調

世の中に食べ物が溢れ、食べ過ぎによる健康状態の悪化ばかりが取沙汰されますが、現代人の多くは栄養失調であるということをご存じですか?

一つの要因としては食材そのものの栄養価が昔より下がっている事がありますが、もっと大きな要因はカロリーを気にするあまり食べ控えをする事に起因しています。食材そのものの栄養価が減り、食べる量や回数も控え、エネルギーの原料となるお米などの主食は食べない・・・。これだけ条件が揃ったら栄養が足りないに決まっています。

「すぐに疲れる」「体温が低い」「やる気が出ない」などの心当たりがあったら栄養が足りていないという体からのサインかもしれません。もし心当たりがあるならば必要な栄養が手軽にしっかり摂れる『 一汁一菜一膳ごはん』を食べて欲しいと思います。

 

♪変化の一部を大公開♪

一汁一菜一膳ごはんを実践している方の変化の一部を公開します。
・睡眠の質が上がった
・階段を息切れせずに上がれるようになった
・疲れにくくなり体力がついた
・浮腫が改善した
・ウエストやお腹周りがサイズダウン
・集中力が増し仕事の効率が上がった
・舌裏の瘀血がなくなった
・体温が上がった
・メンタルが安定した
・冷え性が改善した
・便秘が解消した

など・・・

食事の質が上がると生活にもメリハリが出たり仕事の効率があがるので、大きな枠組みで見ると結果的に人生の質も上がります。

★ムラ食い・食べ控えを辞める

★ココロとカラダの状態が安定する

★エネルギーが満たされ気持ちが前向きになる

★日常に充実感が持てる

★人生の質が上がる

こんなイメージです。

 

食事の質を上げて免疫力をUPする

食に関する情報は溢れていますが一過性のブーム的な物も多く存在します。しかし食べることは命が尽きるまで続き、体の機能は歳を重ねても変わらないので本来食べる事に流行はないはずです。だからこそ短期的ではなく長期的(理想は一生)続けられる食事を身に付けることが大切です。
忙しい時代においてあまり手間がかからず、日本人の体質に合っていて長期的続けても飽きない「ごはんとお味噌汁」の組み合わせはまさに最高最強です!食事の献立の質を上げれば栄養をしっかり摂ることがで、基礎代謝も上がって免疫力もUPします。

免疫とは?

ではそもそも免疫とは何なのでしょうか。「免疫」とは文字の通り「疫病から免れる」こと。体の中に細菌やウィルスなどが入ってきた時、自身の細胞と区別しそれらを「敵」とみなして戦って体を守るシステムです。私たちのカラダは約60兆個の細胞で作られています(数には諸説あり)。その中に免疫を専門とする免疫細胞があります。身の周りには空気中を含め至るところに細菌やウィルスがいますが、それらを吸い込んだり粘膜に付着しても病気にならないのはこの免疫細胞による「免疫」というシステムが働いてくれているおかげなのです。免疫には大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫」の二つがあります。
★自然免疫
生まれつき持っている免疫のシステム。マクロファージ、顆粒球、樹状細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞と呼ばれる自然免疫細胞があり、病原体が体に侵入すると一番初めに発動される原始的な防御機能です。
★獲得免疫
自然免疫が生まれつき備わっている防御システムなのに対して、獲得免疫は感染することで身につく後天的な免疫システムです。T細胞、B細胞などからなり、自然免疫系で撃退しきれない場合に発動します。

 

~免疫は連携プレイ~
まずはパトロール的な役割を果たしている自然免疫細胞のマクロファージが病原体を発見!マクロファージと顆粒球(主に好中球)がその病原体を食べて殺します。NK細胞も独自のやり方で感染した細胞を破壊しマクロファージがそれを食べてお掃除。さらにマクロファージは獲得免疫細胞の仲間であるヘルパーT細胞に「こんな病原体がいたよ!」という信号を出します。その信号を受けて今度は獲得免疫が作動!T細胞が病原体と戦い、B細胞が病原体に対する抗体を生産します。と同時に病原体の情報を記憶し再侵入してきた時に備えます。この様に免疫のシステムは「自然免疫→獲得免疫」の連携によって働き、そのおかげで私たちのカラダは守られています。

この病原体に対抗する力の事を「免疫力」といい、病原体を殺傷する力が強いと免疫力が高いと言われます。免疫力が高いと病気になるリスクも低くなるのでぜひとも高めていきたいところです。しかし免疫力UPは一日にして成らず・・・。日頃の積み重ねがいざという時の力となってくれるのです。

食事から見る免疫力の高め方

栄養素のうちカロリー換算できる「炭水化物・脂質・たんぱく質」を三大栄養素といい、カロリー換算の出来ないビタミン・ミネラルを含めて五大栄養素と言われています。三大栄養素には体に負担がかかりにくく代謝機能が活性化する黄金バランスがあります。
総量ではなく3つの栄養素の割合がポイント!一般的なイメージとしてカロリーというと「炭水化物・脂質・たんぱく質」を合わせた総カロリーを指していることが多いですが、大切なのは総カロリーではなく三大栄養素の内訳バランスです。

厚生労働省が5年に一度発表している日本人の食事摂取基準からカロリーの理想の内訳バランスを見てみましょう。

◎エネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)

年 齢 炭水化物 脂質 たんぱく質
18~49歳 50~65% 20~30% 13~20%
50~64歳 50~65% 20~30% 14~20%
65歳以上 50~65% 20~30% 15~20%

2020年は更新される年に当たり前回の2015年版より年齢が細分化されました。各栄養素のパーセンテージを足すと必ずしもぴったり100%にはなりませんが、大切なポイントは2点です。「炭水化物が全体の半分以上の割合であること」「脂質の割合を全体の1/4程度に留めること」

数値で言われても実際の食事に置き換えた時のイメージが沸きにくいですが、実は非常にシンプルな事で解決できます。上記のエネルギー産生栄養バランスを実現する為に適している基本の献立は『 一汁一菜一膳ごはん』です。いわゆる日本の定食スタイルで「主食・主菜・副菜」で組み立てられています。これを献立を当てはめてみると「主 食・・・ごはん(お米)」「主 菜・・・肉や魚を使ったメインディッシュ」「副 菜・・・野菜やキノコ海藻などを豊富に入れた具だくさんお味噌汁」になります。

イメージとしては写真の様な献立です。いわゆる和定食ですね。

三大栄養素はカラダを作る為の材料やエネルギーになる栄養ですが、いくら質のいい材料を摂ってもそれを代謝してカラダが使える形に変換出来なければ宝の持ち腐れになってしまいます。副菜の具だくさんお味噌汁で使われる食材にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。ビタミンやミネラルは代謝をサポートしてくれる栄養素です。免疫と同じ様に栄養の働きも連携プレイによって成り立っています。ですので各栄養素にはそれぞれ大切な働きがあり、体に良い栄養、悪い栄養という区別はありません。『体の様々な材料になる栄養』と『サポートする栄養』を必要量しっかり摂ることが大切です。

まずここをおさえた上で免疫力UPに一役買う食材を一部ご紹介します。

☆良質な食物繊維、海草とキノコ類
海藻、きのこ類ともに抗酸化作用に優れた成分や食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整える役目があります。その他にも海藻類はミネラル、きのこ類はビタミンを豊富に含んでいます。

☆丸ごと食べる、煮干しなどの小魚
一物全体という言葉がありますが、食材丸ごと食べるとことが栄養的にバランスがよいと言われています。まさに「食べ物の命をそのままいただく」という感じですね。魚なら煮干しや しらすなど、丸ごと食べられる小魚類がおすすめです。

☆発酵食品(味噌、納豆、キムチ、チーズ、ヨーグルトなど)
発酵食品はその土地や場所にいる微生物によって、元の食材にはない新たな風味が生み出された物です。麹菌・酵母・乳酸菌など私たちの健康をサポートしてくれる成分が豊富に含まれています。一例を挙げると、味噌、醤油、みりん、かつお節、ぬか漬け、納豆など、日本には素晴らしい発酵食品がたくさんあります。微生物には免疫にとって重要な腸内の状態を整える力があります。

☆野菜
野菜にはビタミンや食物繊維、フィトケミカルと呼ばれる物質が豊富に含まれています。特に旬の野菜にはその季節に必要な栄養やパワーがギュッと詰まっています。季節の根菜類、緑黄色野菜を摂ることでエネルギー代謝の助けとなり免疫力アップにも繋がります。

 

食べた栄養を消化吸収できていますか?

近年は腸内細菌を整えることに非常に注目が集まり、発酵食品や乳酸菌を積極的に摂る傾向があります。免疫を担っている免疫細胞の約70%が腸にあると言われていますので、腸内細菌の状態を整える事は決して悪い事ではありませんが見落としがちな事があります。それは食べたら終わりではないということです。私達が自分の意識と意志で出来る事は食べる事ですが、その後も食べ物の旅は「胃→小腸→大腸」と続きます。食べた物が消化され必要な栄養は小腸から体内へ。不要な物や役目を終えた物は大腸を通って体外へ排出しています。何を食べるかも大切ですが「口→胃→小腸→大腸→肛門」の流れが活発でスムーズであるかどうかが免疫においても重要です。

口から肛門までは「消化管」と言われており、よく“ちくわ”に例えられるように一本の管になっています。この一本の管のどこかが詰まり流れが悪くなると必然的に全体の流れも滞ります。私達は便秘気味だと腸だけを整えようとしたり、胃がもたれると胃の調子だけを整えようとしますが、調子の悪いところだけピンポイントでみても根本解決にならないのは消化管が一本の管として繋がっているからです。

消化管の働きがスムーズじゃないと感じたら食べ物の消化ルートと逆のルートを見直してみましょう。

<消化の流れ>
口 → 胃 → 腸

<見直す時の流れ>
腸 →  胃 → 口

不調の発端を流れにそって見ていくと「口」に行き当たります。「口」とはまさに食べる器官。自分の意識で出来るところです。健康にいい食べ物は何? 免疫力を上げる食べ物はどんな物?と体にいい食べ物の情報を集めたとしても “効率よく消化吸収できる食べ方” をしなければ意味がありません。

食べた栄養を消化吸収するには「ながら食べ」「早食い」を辞め、しっかりよく噛んで食べることです。私たちが意識して出来るのはここまでですが、栄養を消化吸収しやすい状態を作ればカラダもそれをきちんとキャッチして張り切って消化吸収してくれます。つまり私達が出来る事と体の連携プレイにがスムーズに行われることによって、初めて食べた物を活かす事ができるのです。

免疫力を高めるには何か特定の物だけを積極的に食べたり飲んだりすればいいというものではありません。各栄養を黄金バランスでしっかり摂った上で免疫力を高めるのに一役買ってくれる食材を少し多めに取り入れてみるのがお勧めです。そして食べる時は唾液が出るのを感じながらよく噛み、次に働いてくれる胃への負担をかけない様にバトンタッチしましょう。

免疫力アップは一日にしてならずですが、日頃の食習慣、生活習慣を変えていくことで確実にカラダは変化していきますので、できるところからやってみて下さい。

 

=デトックスの力が健康度を上げる=

私たちの周りはリスクだらけ

■ 環境の問題・・・・・・・・・・大気汚染、電磁波、ストレスなど

■ 生活習慣の乱れ・・・・・・睡眠不足、運動不足、タバコなど

■ 食生活の問題・・・・・・・・添加物、化学調味料、アルコール、過度な制限による栄養の偏った食事など

 

現代は経済や科学の進歩により便利に暮らせる様になった反面、多くのリスクとも隣り合わせです。その中には自分の意識で避けられる物と、どうしても避けられない物があります。残念ながら全てのリスクを回避する事は不可能。ではリスクを最小限にする為にはどうすればいいのでしょう。回避できずに取り込んだ物は体内で老廃物になりますがそれを排出してしまえばいいのです。そこで最近注目を集めているのがデトックス。

私たちには生まれながらにして老廃物を体の外へ排出するデトックス機能が備わっています。その代表的なものが「便」「尿」「汗」です。

 

 <割 合
・便・・・約75%
・尿・・・約20%
・汗・・・約3%
残りは「髪の毛」と「爪」から排出されます。 

 

デトックスの9割以上を占める「便と尿」

食事や呼吸など、私たちはさまざまな形で体内にいろいろな物を取り込んでいます。その中には体に残っていまうと有害な物も混ざっています。また、代謝により要らなくなった物(老廃物)も出ます。それらを体外に排出してくれる代表者が「便」と「尿」です。

 

「尿」・・・デトックス率 約20%

老廃物には水に溶ける物と溶けない物があり、水に溶ける物が腎臓でろ過され、膀胱に送られて尿として排泄されます。1日の排尿回数は4回8回(夜中の1回も含める)、1回量は150cc~400ccが正常の目安と言われています。

 

「便」・・・デトックス率 約75%

水に溶けない物は肝臓から腸に送られて便として排出されます。1日に3回または3日に1回の範囲内にあれば正常であり、日本人が排便する量は1日平均150g~200gと言われています。

 

日常生活において注目され私達も問題を抱えやすいのは便。デトックス率が7割以上にも昇るので是非とも快便生活を習慣にしたいところです。

 

 

体からのお便り

便には自分の体に関するたくさんの情報が詰まっているのをご存じですか?「色」「硬さ」「におい」「量」「回数」これらは全て今の体の状態を示しています。身体中を巡って要らなくなった物なので、健康状態に関する情報の宝庫!文字通り体からの「お便り」です。大事な手紙やメールが来た時、それを開封せずに捨てたり削除したりしないと思います。 便も同じ!毎回目で見て体からのお知らせを確認して欲しいのです。でも悲しい事に最近のトイレ事情はセンサーでの自動洗浄がほとんど。見る間もなく流れていってしまいます。外出先では仕方ないですが、自宅では自動洗浄を切って自分の状態を確認する習慣を持つ事で今の健康度を見える化する事ができます。

 

理想的な便

◎切れずに一本でスルッと出る

◎黄土色・黄褐色など濃いめの黄色

◎悪臭がない

 

黄色は腸が弱酸性の状態で、赤ちゃんの便が黄色味が強いのは弱酸性だからです。黄色から茶色は腸が酸性であることを示し乳酸菌や腸の働きを整えたり免疫力を維持する時に働いてくれる善玉菌が活発で健康な状態であり上記のような理想的な便になります。

茶色が濃くなり茶褐色や黒っぽくなると腸がアルカリ性に傾いていることを示しています。アルカリ性が強いということは大腸菌やウェルシュ菌やピロリ菌など健康にとって害を引き起こす要因となる菌が優勢になっている状態です。アルカリ性に傾いている時は強い腐敗臭の原因にもなります。

この様に特別な検査などをしなくても日々のチェックをすることで自分の腸の状態をある程度知ることができます。

 

 

 

デトックス機能をONにする

便秘がちであったり状態が良くないと感じた時、改善する為に何か特定の物を積極的に食べたり飲んだりしていませんか? それによって改善がみられる事がある一方で効果を感じられなかったり、根本解決になっておらず問題を繰り返す場合が多いのも事実です。理由はデトックス機能も含めた身体全体の代謝機能が上手く働いていないから。働き自体が滞っているのに、ピンポイントに不調だけ何とかしようと思っても根本的な解決にならないのは当然です。大切なのは「食べる→消化吸収→代謝→排出」この一連の流れを活性化し、スムーズに循環する身体を作ることです。

 

~理想的な便の組成~

 ★7080%・・・水分

 ★2030%・・・未消化物や腸内細菌や古くなった粘膜などの固形物

 

充分な水分での中に固形物もしっかりあると、いわゆる「バナナうんち」と言われる理想的な状態になります。この状態を作るにはまずしっかり食べて固形物を増やすこと。固形物になる物がないと便の体積が増えないので、量も少なくなり便秘になりがちだったり何となくスッキリ出ない感じになります。問題解決の為に特別な事をするのではなく、まずは普段の食生活でデトックス機能をONにして活性化することが大切です。

 

 

基本的な食事とデトックスの考え方

厚生労働省が日本人の食事摂取基準で推奨している食物繊維の目標摂取量は『女性:17/日 男性:19/日』ですが、現代の食生活ではほぼ全員が足りていないのが現状です。要因として「一日の食事の回数が減った」「穀物の摂取量が少ない」「単品メニューで済ませる」などが考えられます。

 

要らない物を排出する力を上げるには固形物と食物繊維をしっかりとることが不可欠。それを全て網羅出来る食事は先にも紹介した「一汁一菜一膳ごはん」です。

 

特徴として食物繊維は植物性の食材に多く含まれます。その中でも日本人の体質に合っていて効率よく摂取できるのは「穀物(お米)」です。白米は精製されているから栄養がないと言われますが、決してその様なことはありません。しかし食物繊維という観点から見ると白米のままだと摂取量は少なめになります。その時、白米のバージョンアップに一役買ってくれるのが雑穀です。

雑穀にはそれぞれに特徴があり栄養のサポートをしてくれるのですが、その中でも大麦は断トツで食物繊維が豊富です。「 白米1合に対して大麦を大さじ3」を目安に入れる事で食物繊維の摂取量は約3倍になります。

お味噌汁には野菜をたくさん入れて具沢山にしましょう。そうする事でビタミンやミネラルなどの栄養を効率よく摂れるほか、食物繊維の摂取量も約1.5倍~2倍になります。

 

~*~ポイントを整理~*~

♪ 白米に大麦(雑穀)を入れてバージョンアップ

♪ お味噌汁を具だくさんにしてバージョンアップ

さらに・・・食事の回数と量を減らさない

せっかくバージョンアップしても食べる回数や量が少なければ体積が増えず、作られる便も少なくなります。穀物や、きのこや野菜には「不溶性」と言われる食物繊維が多く含まれており、便のカサ増しや整腸作用があるので量をしっかり摂る事がポイントです。また食物繊維には「水溶性」の物もあり、海藻やこんにゃく 果物などに多く含まれています。水溶性は食品の水分や体に不要な物を抱え込んでゲル化して排出する作用があります。

この「不溶性」と「水溶性」の食物繊維を日々の食事でしっかり摂る事により、作られる便のカサが増し体外へスムーズに排出することができるのです。何を食べるかも大切ですが健康度を図る上でそれ以上に大切なのは実はどの様な物を出しているか。それには問題解決の為の変化球的な食生活をするよりも日常の食生活を見直した方が結果的に近道です。健康の基本は “しっかり摂ってしっかり出す” 。一汁一菜一膳ごはんで身体の機能を基から元気にして要らなくなった物をしっかり出せる体作りをして健康度を上げていきましょう。

 

 

=食事は自分へのおもてなし=

情報を上手に活用するコツ

健康意識が高まり、食に関する健康情報を見聞きしない日は無いほど世の中には情報が溢れています。そのほとんどが「これを食べたら体にいい」「これを食べたらお肌にいい」など “これを食べたらこういう効果が期待できますよ” という伝え方です。
情報自体は間違ってはいませんが、気を付けたいのは受け取り方です。情報を目にした時は“これは良さそう!” “こんな効果が期待できるなら積極的に食べよう” など前向きな気持ちだと思います。しかし、しばらく続けていくと「これを食べなきゃ健康になれない」「これを食べなきゃお肌がキレイにならない」と食べることが義務のような感覚になり強迫観念にかられた事はありませんか?

その様な状態になった時は大抵自分が望んでいる効果が得られていない時です。その時点で止めればよいのですが「これを食べている(飲んでいる)からこの程度で済んでいるんだ」と無意識に根拠のない理由を自分で作り、止めるに止められないという負のループに陥ってしまう事があります。その裏側には『せっかく体に良いと思って始めたのだから』という心理が働いていることが多いのですが、この負のループを抜け出すにはどうすればいいのでしょうか? 実は答えはとても簡単!考え方(視点)を真逆にするだけで解決です。

 

考え方を真逆にするとは?

「これ」を食べたら健康(げんき)になる → 健康(げんき)になるために適してるのは何かな?
「これ」を食べたらお肌がキレイになる → お肌がキレイになるために適してるのは何かな?

ちょっとしたニュアンスの違いですが、「これを食べたら」は例えば「〇〇を食べたら」とか「△△を食べたら」とか具体的な物を指します。一方「~のために適してるのは」というのは、その時の体調や状況によって変わりますし特定の物を指してるわけではありません。つまり何かを限定するわけではないので、選択肢も視野もグッと広がります。そうすると「これを食べているのに効果がない」と落ち込んだり「これを食べているからこの程度で済んでいるんだ」と自分を納得させてストレスを感じる必要もなくなります。

健康の為の食事の前にもっと大切なこと

私達の体はいついかなる時も栄養の消化吸収をオートメーションでやってくれています。どんなに暴飲暴食をしても何とか消化しようと休むことなく働き続けてくれているのです。だからこそ負担をかけない食べ方を心がけたいもの。みなさんは身体に優しい食べ方をしてますか?

カラダの声を代弁すると

~早食い~
「そんなに次々詰め込まないでー!!消化が追い付かないよ!」

~ながら食い~
「何食べてるのかよく分からない・・・。どうやって消化すればいいんだろう、困ったぞ」

カラダは言葉で伝えられないので胃腸の調子で教えてくれます。胃もたれ、胸やけなどで胃腸が疲れているなと思ったら “しっかりよく噛んで味わいながら食べてるか” を振り返ってみましょう。

 

『食べる事を大切にする=自分を大切にする』ことです。つまり、食事に丁寧に向き合うのは「自分への おもてなし」と言えるのではないでしょうか。私はこの「おもてなしの意識があるかないか」が健康や元気に繋がるかそうでないかのカギを握っている気がしています。実際にゆっくり食べる時間が取れなくても、食事も大切な時間という気持ちを持つだけで体にもそれは伝わります。あなたが食事を大切にすれば体も今以上にあなたが健康で元気に過ごせるようにサポートしてくれることでしょう。

=暮らしと健康=

生活と暮らし

「生活」と「暮らし」の違いはなんでしょうか? 広辞苑を検索してみると「生活:生存して活動すること。生きながらえること」と出てきますが、「暮らし」にヒットする意味は出てきませんでした。“生活” をもう少し掘り下げて見ていくと、生きていく為の経済面や衣食住に対しての日々の営みに関する意味合いが強いように感じます。一方 “暮らし” とは日々の営みにとどまらず、ライフスタイルなど生き方も含めた意味合いが濃くなります。つまり「生活=暮らし」ではなく「暮らしの中に生活がある」というイメージ。生活に関する習慣や手段は具体的に挙げる事ができるので実行しやすいですが、暮らしは抽象的な事を多く含むので具体的に何をすれば良いのかなかなか見えません。それだけに暮らしに目を向けるにはココロとカラダにある程度のゆとりが必要です。

現代社会は忙しく常に時間とやることに追われています。仕事、習い事、その他やるべき事が最優先で生存(生きながらえる)の為に必要な食事、睡眠、運動などのいわゆる生活習慣は二の次三の次になっています。その結果、健康な状態で元気に生きていく事が難しく、常に疲れていたり、ストレスを抱えてイライラしたりと生活面での安定が図れなくなっています。暮らしは衣食住の生活基盤が上手く循環した先にあるもの。生活においての安定が図れないと生き方を含めた「暮らし」を大切にすることは難しくなります。

現実問題として時間とやることに追われる日々は変わらなくとも、出来る範囲で生活の一つ一つに心を込めていると少しずつ主体的に暮らしている実感が湧いてきます。毎日は出来なくても、忘れていても頭の片隅に置いておくことでそれが徐々に習慣になっていくと「暮らし」そのものが彩り豊かで充実したものとなっていくことでしょう。

暮らしは健全でげんきな体を作る事からはじまる

暮らしのベースになるものは生活。生活のベースになるものは食事、睡眠、運動などのいわゆる生活習慣。現代はこのどれもが後回しになり仕事や予定の合間に生活をしている状態になっています。

第二次大戦以降「より良い暮らしにする為に」「より便利な世の中にする為に」という想いと勤勉さで高度経済成長を遂げ、日本はここまで発展してきました。その一方で「生活」そのものや「暮らし」への意識が少しずつ薄れていき、成果を上げる為に身を粉にして頑張る事が善しとされ、効率重視の社会になっていきました。それに伴い私たちの健康度は下降気味になってきた様に感じます。それが一番色濃く反映しているのが食生活。分かりやすい例がメタボリックシンドロームです。現代はこうした未病の方が増えています。未病とは今は病気ではないけど気を付けないと病気になりますよ!という状態です。病気でなくても健康度は下がります。健康度が低いと何もしなくてもエネルギーの消耗が激しく活発に活動するパワーが沸かず、常に疲れていたり何となく調子が悪い状態が続きます。その時、カラダの中からパワーを生み出す食事に上手く切り替えられればいいのですが、ほとんどの場合 特定の物を足したり控えたりすることにより問題を解決しようとします。その結果、更なる栄養の偏りが生じて、問題が解決するどころか新たな問題を抱える要因を作ってしまうケースが多いのです。

「野菜は栄養があるから積極的に食べた方がいい」「お米は糖質で体に良くないから控えよう」など、ある一つの側面だけから見た善し悪しの判断は実は偏りを生みやすく、健康度を下げる要因にも繋がりやすいので勿体ない!この世の中に100%良い物も100%悪い物も存在しません。メリットとデメリットは常にワンセットです。日本の食事と言えば主食(お米)を軸にした和食でしたが、経済の発展に伴って諸外国(特に西洋)の食生活が浸透し始め、それと共に徐々におかず中心の食事へと移行していきました。近年の糖質制限、炭水化物を控える動きでその勢いは更に増しています。メリットとしては日本にいながらにして世界中の食を楽しむ事が出来、心の豊かさを感じられること。デメリットとしてはおかず中心になったことによる健康度の低下です。時代と共に生活や暮らしが変化していくのは自然な流れですが、それが健康度を下げてしまっている場合はちょっとした見直しが必要だと感じます。いつの時代も大切なのは健全で元気な体であること。その為にある程度の知識とそれを生活に無理なく取り入れる智慧を身に付けておくと取捨選択が上手に出来るようになります。

 

ちょっとした賢さを身に付ける

現代は情報化社会。ネットやスマートフォン等の普及により個人が受け取る情報量は格段に多くなりました。ここでもメリットとデメリットはワンセット。メリットとしては、知りたい時に知りたいことをすぐに調べられる便利さ。反面、情報量が多すぎる事でどれが正しいのか分からなくなったり、自分にとって有用な情報がどれなのか見えにくいという側面があります。ではどういう基準を持っておくといいのでしょう。

食に関することで言うと 「日本人の体質や気候風土にあっているか」「長期的に(一生)無理なく続けられるか」「自分の生活スタイルにあっているか」「手に入りやすいものか」です。知識を沢山持っているだけでは宝の持ち腐れです。『自分の選択の基準を決めておく』ことで賢く必要な情報を取捨選択できるようになり、生活の中に取り入れて活用しやすくなります。

QOL(クオリティー・オブ・ライフ)

クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、QOL)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているかということを尺度としてとらえる概念である。QOLの「幸福」とは、身心の健康、良好な人間関係、やりがいのある仕事、快適な住環境、十分な教育、レクリエーション活動、レジャーなど様々な観点から計られる。またQOLには国家の発展、個人の人権・自由が保障されている度合い、居住の快適さとの関連性も指摘される。したがってクオリティ・オブ・ライフは、個人の収入や財産を基に算出される生活水準(英: standard of living)とは分けて考えられるべきものである。

引用元:Wikipedia

QOLは「身心の健康」「良好な人間関係」「やりがいのある仕事」「快適な住環境」「十分な教育」「レクリエーション活動」「レジャー」など様々な観点から計られています。どれも人生の質をより豊かにする為に必要なものですが、その中でもまず注目したいのが “身心の健康”です。それを支えているのが食事、睡眠、運動などの生活習慣。日々のストレスや疲れをその日の内に回復させ翌日への活力を生み出せる体が理想ですが、現代社会において身心の健康を維持できる生活は後回しになっています。要因としては個人の問題というより、社会的に健康を維持することが難しいしくみになっている事が大きいと思います。では今の社会である限り健康でいることは無理なのかというと決してそうではありません。

“忙しくて時間がない” “環境的に不規則な生活になってしまう” などどうしても変えられないものはあります。しかし「時間がないから仕事をしながら食事をする」「作るのが面倒くさいからお菓子で済ませる」「何かを成し遂げる為に睡眠時間を削る」などは社会の問題ではなく個人の選択です。体はあなたがどの様な物を食べようと、どんな生活習慣を送ろうと与えられた環境の中で活動のエネルギーを生み出し日々命を繋いでくれています。でもそれにも限界があります。疲れが取れない、元気が出ない、やる気が沸かないなどの不定愁訴は「生活習慣見直して!!」という体からのサインです。

現実問題として生活環境は変わらなくとも、まずは「休みの日の夕食はゆっくり時間を取って食べる」「食べている間は仕事はしない」「週何回か一駅手前から歩いて出勤する」「5分でも10分でもいいので布団に入る時間を早くする」など、無理なく出来る範囲の事から意識してみて下さい。たとえ出来ない時があっても頭の片隅にあれば、ふとした時に思いだせるのでそれで大丈夫です。生活習慣の変化で身心の健康度が上がると「良好な人間関係」「やりがいのある仕事」「快適な住環境」「十分な教育」「レクリエーション活動」「レジャー」などの暮らしに目を向けるゆとりも出てきます。

生きていく上でベースになる暮らし。それを支えているものが生活です。まずは生活で身心の健康を身に付ける事が、暮らしの質を上げる事に繋がります。クオリティ・オブ・ライフは、個人の収入や財産を基に算出される生活水準とは関係ありません。どんな環境下にいても主体的であることで暮らしはデザインできます。「幸福度」を上げる可能性は自分自身の選択によっていくらでも広がるのです。

 

あとがき

元気な体にはその日の疲れや体調不良を自ら回復する力があり、回復に大きく関わっているのは食事です。実際に“じゅんこたんご飯講座”を受講した方は、食事を見直したことで健康度と元気度の向上を実感しています。また必要な栄養をしっかり摂る事により精神的にも満たされ、生活に充実感を感じられるようになった方もいます。その様な日々の積み重ねが少しずつ人生の質へ波及し、QOLの向上にも繋がってきます。

人口減少・超高齢化社会・医療費の増加など、日本が抱えるさまざまな問題にとって一人一人のQOLの向上はまさに社会貢献です。”毎日の食事が自身の人生の質を上げ更には社会貢献になる” そんなハッピーの循環をじゅんこたんご飯で作っていきたいと思っています。

みなさまの食卓が笑顔に包まれハッピーの循環が生まれますように・・・。

 

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